「富士浅間神社」は「東口本宮浅間神社」・「須走浅間神社」とも呼ばれる
2013-05-24T18:00:20+09:00 2013/05/24
世界文化遺産に選ばれた「富士浅間神社」は静岡県駿東郡小山町須走にあります。
小山町というとF1日本グランプリが開催された「富士スピードウェイ」があることで知られています。
この小山町の「須走」にある須走登山道というの起点にあることから「須走浅間神社」とも呼ばれます。
また、登山道が東口になることから「東口本宮浅間神社」とも呼ばれます。
この神社は、昔富士山東麓が噴火したとき、この須走に斎場を作り鎮火の祈願をしたところ噴火が収まったことで作られたそうです。
延暦21年(802年)、富士山東麓が噴火をしたため、須走に斎場を設け祭事を行い鎮火の祈願を行った。それにより噴火が収まったため、大同2年(807年)に鎮火祭の跡地に社殿を造営したと伝える。
引用元:wikipedia.・東口本宮冨士浅間神社
500坪はあるという広大な境内には静岡県指定の天然記念物や小山町指定の天然記念物に指定されている「はるにれ」や「山桜」といった樹木や樹齢数百年の杉。
また、参道の左側は「浅間の杜」という鳥のさえずりも聞こえるような豊かな林。
この中を長い散策コースや水路が整備されているため、境内の散策とともに自然観察を楽しむこともできます。
富士浅間神社は小山町観光の12選や静岡県のふるさと自然100選にも選ばれています。
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富士浅間神社への行き方
大きな地図で見る
東名高速か246号から行くのが分かりやすいと思います。
東名高速からは「御殿場IC」で下りて、富士山に向かって伸びている国道138号線を上がります。
下り路線からではICの料金所を過ぎると前に401号線が通っていますので、右折してしばらくいくと138号に合流します。
246号線からは「萩原北」の交差点で136号線に入り富士山の方向に進むことになります。
しばらく行くと「東富士五胡道路」の標識がが見えてきます。
道路標識には「須走口」まで450mということが表示されています。この先には「須走IC」の交差点があります。
その交差点を右折して100m位行くと左側にガソリンスタンドがありますのでそこを左折します。
そうすると直ぐ右側に、富士浅間神社の大きな駐車場が見えてきます。
ここも世界遺産登録に向けて準備をしてきたのでしょう。
駐車場の奥にはトイレが新しく作られています。
駐車場付近には記念碑や石碑が点在している
駐車場の奥には広宮殿下(皇太子徳仁親王)が、昭和63年8月1日に登頂したことを記念した記念碑と植樹がされています。
樹名は「梓(あずさ)」。
これはカバノキ科カバノキ属の落葉樹で皇太子徳仁親王のお印になっています。
ヨグソミネバリ(夜糞峰榛)とか桜の木に似ていることから「ミズメザクラ(水目桜)」とも呼ばれています。
駐車場からの入口付近には富士講の講員たちが奉納した石碑や石灯篭が数多く点在しています。
富士講とは角行藤仏(長谷川角行)という行者により創唱された富士信仰のこと。
当事の麻布の町で栄えた「麻布三元講」も富士講であり、その講碑群も維持保存されています。
富士講講碑群の前には説明看板が・・・
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正面の鳥居から入るには
境内と陣神社の案内看板が設置されています。
これは駐車場から入る入口。
ここから入ると最深部の社殿に行き着きます。
正面の鳥居から入るなら、この入口の右奥にある「鎌倉往還(かまくらおうかん)」を通れば正面に出ることができます。
鎌倉往還とは、鎌倉時代に鎌倉と各地を結んだ街道のこと。鎌倉道とも呼ばれています。
鎌倉往還は鎌倉から放射状に複数のルートがあり、ここに残っている道は石和に繋がっていたようです。
正面鳥居から桜門・社殿へ
浅間神社の前には川があります。たぶんこれは境内の散策ルートの水路から流れる川だと思います
そこに赤い橋が架かっており境内に入っていきます。
鳥居には「不二山」・・・字を間違えたのではないですよ。
富士山という字は当て字も含めると幾つかあり、この「不二山」は唯一無二の高峰ということで付けられています。
他に万葉集では「布士」「布自」という字を使われていたり、不老不死の伝説から「不死山」とも記されるそうです。
鳥居をくぐると右側に社務所と富士山資料館。その前には樹齢100年以上の「エゾヤマザクラ」。
エゾヤマザクラはバラ科サクラ属の植物で、中部地方から以北と山陰、四国の剣山・石鎚山脈などに自生している桜です。
この樹がエゾヤマザクラの南限で静岡県内では唯一生育しているそうです。
木の高さは8m、根回り2,08m、目通り(地面から1,2mの高さ)1,75m。
桜門はかなり立派です。
その前には両側に麻布三元講から寄贈された大きな碑のような岩。
昭和の時代まで麻布三元講は盛んだったということで、上には比較的新しい狛犬据えられています。
こちらは「獅子の子落とし」。
子どもを谷底に落とし、登ってきた子どものみを育てるという言い伝え。
子どもに楽な道を歩ませるのではなく、苦難を与えることで心身を鍛えるというようなたとえだろう。
桜門の中には神様みたいな人形が入っています。
これは、右側が「櫛岩窓神(くしいわまどのかみ)」左が「豊石窓神(とよいわまどのかみ)」という門の神様。守護神として祭られています。
拝殿も立派。
御祭神は「木花開耶姫命(コノハナノサクヤヒメノミコト)」、「大己貴命(オオナムチノミコト)」、「彦火火出見命(ヒコホホデノミコト)」。
恐らく主神が「木花開耶姫命」で他は配神になるのでしょう。
主神とは幾つか祭られている神のうち中心ととなる神。配神は主神以外の神のことです。
- 木花開耶姫命・・・「天照大神」の孫の妻のことで、古事記や日本書紀に登場する女神。
- 大己貴命・・・大国主命の別称。古事記や日本書紀に登場する神。
- 彦火火出見命(ホオリ)・・・神武天皇の祖父で、ニギギと木花開耶姫命の三男。日本神話「山幸彦と海幸彦」に登場する。
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拝殿の手前左側には手水舎。
拝殿に向かって右側には「末社」が並んでいます。
末社は日枝神社・山神社・高尾神社・社護神社・琴平神社・霧島神社。
末社とは、神社本社とは別の小規模な神社のことで、置かれている神社の管理に属します。
格式からいうと「本社」>「摂社」>「末社」となります。
「神馬舎」の護神馬は怖い目をしています。
馬を奉納する風習は奈良時代からあるようで、祈願を目的にしています。
馬は高価であることや小規模な神社では、管理や世話が難しいことで絵馬に置き換わっていったそうです。
人参が供えられています。
境内社。これは本社の境内にある摂社のことで「境内摂社」とも呼ばれます。
ちなみに境外に独立しているものは「境外摂社」とか「境外社」といいます。
祭神は「事代主命(ことしろぬしのみこと)」と「大国主命(おおくにぬしのみこと)」。
事代主命は国譲り神話の中で「美保ヶ崎」で釣りをしていたことから、海の関係が深い「恵比寿様」と同一視され商業や海の神として信仰されています。
大国主命は大黒様とも呼ばれますが、これは「大黒天」の名が「大国と大黒」で類似していることから同一視されているそうです。
国造りの神、農業神、商業神、医療神などとして信仰されています。
長寿亀石。
この石に触ると長生きできるとか?!
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浅間の杜にある御神木や宿り木
浅間の杜へは拝殿の奥の参道から入ることができます。
途中には静岡県指定天然記念物「ハルニレ」の大木があります。
ハルニレの木の前には石碑。
ハルニレとはニレ科の落葉樹。北海道から本州の山に自生しています。
街路樹等で主に利用されますが、枝の繊維からは縄を作るそうです。
樹齢は約500年、根廻り6m、目通り4m、樹高24,5m。
小山町指定天然記念物「根上がりモミ」。
根回り4,61m、目通り3,07m、樹高27m、樹齢(推定)400年。
縁結びの木。
もみとかし・ぶなの根が絡まりあっています。
これが男女の結びつきを表してしてということで、縁結びや安産、子育てにご利益があるらしい。
護国神社祖霊社
山道をは下まで続いています。
富士山の湧き水でしょうか、かなりの距離流れています。
鯉が泳いでいます。
側には護国神社の祖霊社。
祖霊社とは祖先の霊を祭るための神棚です。