世界文化遺産「川口浅間神社」には県指定の天然記念物「七本杉」がある
2013-05-28T18:00:05+09:00 2013/05/28
川口浅間神社はひらがなで書くと「かわぐちあさまじんじゃ」となります。
富士山の周りにある浅間神社で「あさまじんじゃ」と呼ぶのはここだけです。
浅間神社(せんげんじんじゃ)は、富士山の神霊と考えられている「浅間大神」を祀っている神社です。山梨・静岡を中心に全国に1300位あります。
しかし、この中には長野と群馬にまたがる「浅間山(あさまやま)」を信仰している神社もあるのです。
日本三大実録によれば、貞観6年(864)に富士山大噴火が起こります。そして、周辺は甚大な被害を被ることになります。
当時の富士山は駿河の国(静岡県)に属しており、富士山を鎮めるために現在の「富士山本宮浅間大社」があり「浅間大神」を祀りなだめるのが重要な役目でした。
しかし噴火が起きたことで、溶岩流は本栖湖方面にも向かい甲斐国の国境まで達します。
朝廷はこの原因を駿河国に聞いたところ、「富士山が噴火しているその理由を占うと、浅間明神への祀りが足りない」との事。
そのため朝廷は「駿河国には十分に浅間明神へ「鎮謝」せよ、甲斐国でも奉幣して「解謝」せよ」と命じたそうです。
これは「駿河だけでは力不足なため甲斐も加勢しなさい」ということなのでしょう。
そんなこんなで、噴火を鎮めるために噴火被災地に近く富士山を望める立地であることから、ここに浅間神社建立。これが今の川口浅間神社です。
そして、富士山の北口において重要な立場にあるため、当時は川口浅間神社ではなく「富士山北口本宮極位浅間神社」や「富士山北室本宮」と呼ばれています。
その後は、広く信仰を集め歴代の甲斐の国の領主や諸大名からも崇敬され、富士登山者で賑わいを見せていくのですが、富士講の流行と北口における吉田御師の発展により徐々に衰退していったようです。
川口浅間神社・メニュー
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河口浅間神社への行き方
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河口浅間神社は「旧御坂道」沿いにあります。
甲府方面からでは御坂峠を下りたところ、河口湖からでは大橋を渡って少し行ったところです。
今は湖畔を過ぎた辺から新道が開通していますから注意が必要です。
ここも道路沿いに入口が見えてきます。
ここは車で鳥居まで入ることができますが、入口の前には駐車場がありますからそこに車は停めましょう。
道路沿いには「七本杉」の看板が出ています。
立派な鳥居
入口から鳥居までは一般道ですから車に気をつけましょう。
参道入口には立派な鳥居が建てられています。
大鳥居は昭和49年12月9日に再建されています。
その記念碑が鳥居の前に据えられています。
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参道の杉並木
ここも樹齢数百年という杉の大木があることで有名です。
参道入口には杉並木について書かれた看板があります。
- 樹木・・・11本(杉10・桧1)
- 樹高・・・45m
- 幹周り・・・7m以上
- 樹齢・・・推定800年以上
参道の中央には「波多志神社」。
神社の創祀者であった伴直真貞公が祀られています。
随神門と手水社
歴史を感じさせる随神門。両側には守り神「随神」が入っています。
手水社も随神門と同じ時期に建てられているのでしょう。
拝殿・本殿
主祭神は「木花咲耶姫命(コノハナサクヤヒメ)」。
慶長11年(1606)に焼失。翌年に領主である「主鳥居士佐守成次」によって再建されています。
本殿は一間社流造り。宮大工「関善左衛門尉藤原家継」らの手で完成したと書かれています。
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末社
境外社に「産屋ヶ崎神社(うぶがやさきじんじゃ)」。
産屋ヶ崎は河口湖大橋の北岸にある岬。ここの頂上に祠はあります。
主祭神である「木花開耶姫命(このはなさくやひめ)」がここで出産したという伝説から「産屋ヶ崎」と呼ばれているらしい。
他に、裏手の三つ峠に行く間に「母の白滝」があり、そこには「栲幡千千姫命(たくはたちぢひめのみこと)」を祭神にしている「母の白滝神社」が鎮座しています。
栲幡千千姫命とは天照大神の孫「瓊瓊杵尊」を産んだ人。
稲荷神社と合祀社。
森の中にある諏訪社。
山神社も森の中にあります。
美麗石と七本杉
拝殿の前に「美麗石(ひいらいし)」が祀られています。
立て看板には「浅間神社を初めて祀った古代祭祀の石閣」と書かれています。
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七本杉
この神社の境内には、昭和33年に山梨県指定の天然記念物「神代の七本杉」があります。樹齢はどれも1200年になるそうです。
杉には番号と名前が付けられており、案内看板を見ると大きさは以下のようになります。
- 根廻り幹囲13,30m 地上1,50m幹囲6,85m 樹高46m (御爾(みしるし))
- 根廻り幹囲9,65m 地上1,50m幹囲7,10m 樹高46m (産射(うぶや))
- 根廻り幹囲12,48m 地上1,50m幹囲6,82m 樹高46,50m (齢鶴(れいかく))
- 根廻り幹囲12,48m 地上1,50m幹囲6,82m 樹高47m (神綿(しんめん))
- 根廻り幹囲18,30m 地上1,50m幹囲8,65m 樹高47,50m (父母)
- 根廻り幹囲15,50m 地上1,50m幹囲7,30m 樹高42,50m (父母)
- 根廻り幹囲30,00m 地上1,50m幹囲8,10m 樹高43m (天壌(てんじょう))
これは5・6の「父母」という名が付いた杉。
縁結びの杉として祭られています。
境内には雰囲気がある池。
鯉も泳いでおり、夕方になると灯篭に灯りが点りました。