世界文化遺産・浅間神社の総本社は富士宮市にある「富士山本宮浅間大社」
2013-05-16T18:00:26+09:00 2013/05/16
富士山と富士山周辺の神社や遺跡、湖等が世界文化遺産に指定されるとの報道で、早くも現地には観光客が増えて来ています。
ここまで来る道のりはそれほど簡単ではなく、ゴミの不法投棄問題や地元との調整が困難を極め、当初検討していた「自然遺産」へは推薦を見送ったようです。
その後、文化的景観を全面に打ち出し、世界文化遺産への登録を目指し、ようやく今日にこぎつけました。
計画当初からの年月は実に20年近くかかっています。
2013年6月にはイコモス(国際記念物遺跡会議)がカンボジアで開催される「世界遺産委員会」で富士山を文化遺産に登録することを勧告した、と文化庁からの報道がありました。
ただ、富士山の名称ではなく「富士山と信仰・芸術の関連遺産群」と変更したそうです。そして、これらの構成遺産のうち静岡市清水区にある「三保松原」は除外されることが濃厚になっています。これは、富士山から45kmも離れていることで山としての完全性を証明することが難しい、とのことです。
政府はなんとか押していく予定らしいのですが果たしてどうなるか、6月の世界遺産委員会を注目していきたいと思います。
ということで、さっそく富士宮市にある浅間神社を全て廻ってみました。
まずは全国に約1300社ある浅間神社の総本社「富士山本宮浅間大社」。
浅間大社の社家は「富士氏」。
富士氏は現在の富士宮市(当時の駿河国群富士上方)の領主にあたります。
富士氏の家系は、代々浅間大社の神社の長である大宮司を受け継いできています。そのため「富士大宮司家」とも呼ばれるそうです。
本宮は静岡県富士宮市宮町1-1ですが、奥宮は富士山頂上の浅間神社敷地内にあります。
ちなみに、富士山の8合目以上は浅間神社の境内になっていますが、山梨県との県境がはっきりしないため土地登記はされていないそうです。
さて、富士宮市以外の地域の人がここに行く場合、富士市から山梨方面に向かっている「西冨士道路」か山梨方面からの139号線を利用するのが一番分かりやすいと思います。
ただこれらの道は現実には繋がっていますの同じ道ということになります。
しかも西冨士道路は東名IC・新東名ITからも直接繋がっているので便利です。
今回は東名高速から行ってみました。
冨士インターチェンジで降りて、西冨士道路に入り富士宮・山梨方面に向かいます。
しばらく行くと、右側に新東名のインターチェンジ。新東名からもこの道へ繋がっていますのでどちらを利用しても問題ありません。
西冨士道路を走っていても富士山はくっきり見えます。きれいですね。
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富士山本宮浅間大社への行き方
大きな地図で見る
西冨士道路は静岡県富士市から富士宮市までの約7kmの「国道139号線」のバイパスのことです。
「西冨士バイパス」とか「139号線バイパス」とも呼ばれています。
西冨士道路をそのまま上っていくとと、富士宮市内を抜け朝霧高原を過ぎ山梨県に入ります。
ですから、山梨側から来るときもこの道を利用すれば同じように浅間大社に行くことができます。
西冨士道路を冨士インターからそのまま走り続け富士宮に入ると、左に回転ずし、右にビックボーイがある交差点が見えてきます。
「妙円寺前」という交差点ですが、ここを左折するとすぐT字路になりますから、そこを右折してまっすぐ行っても目的地に行くことができます。
ここは左折するとき狭いのですが混まないので便利です。ただ今回は分かり易い次の交差点を左折しました。
ここは大きな交差点ですからすぐ分かります。
交差点手前の電柱には「浅間大社」の案内看板も出ています。ここを左折します。
左折するとすぐにまた、下の写真の交差点にぶつかります。
この交差点を右折して、道なりにまっすぐ3・4キロ走れば右側に目的地である「浅間大社」が見えてきます。
右に大きな木。その下には朱色の建物が見えます。
そこが浅間大社入り口になります。
ここを右折しそのまま真っ直ぐ上がると「表口登山道・新五合目」に行くこともできます。
駐車場は正面と右に行った東側入り口にあります。
入り口に交番があるので違法駐車はできません。
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神社の正面入り口から本殿へ
浅間大社の正面には大きな鳥居が設置されています。
昔は、富士宮駅の北口正面にもあったのですが、周辺の整備のために今は撤去されています。
入り口の大きな鳥居から2・300m入るとこのような鳥居が見えてきます。
ここからまだ本殿までにはかなり歩きます。
途中にある流鏑馬の像。
ようやく本殿の門が見えてきた。ここをくぐるといよいよ本殿境内です。
中は意外と客は少ない。
ほとんどが流鏑馬祭り目当てということになるのでしょう。正面の列は参拝者です。
その奥の本殿内は祈祷を受けている人がいます。
参拝作法が書いてある看板がありますので初めての人でも作法がわかります。
入って左側にあるのがおみくじの販売と祈祷受付所、御礼・御守授与所。
手前の大きな樹は「おみくじむすび所」になっています。
祈祷受付所の裏にはトイレがあります。
お手洗いはこの広い敷地の割りには少ないと思います。
多分他にもあると思いますがここまで来る間に、他のトイレは見ていません。
トイレはけっこう混んでいました。
左側の建物は命名と結婚式の受付所があります。
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鉾立岩
この岩は本殿正面の桜門の前、その真ん中にあります。
この石はどんなものかというと、「昔4月と11月の大祭礼に山宮への御神幸の際に鉾を立てた石」だそうです。
ここでいうところの山宮とは「山宮浅間神社」のことを言うのだと思います。
左側には手洗い所があります。
恐らくここで手を清めて中に入れ、ということでしょう。「手水の作法」という手の清め方も看板に書かれています。
神社の周りは富士山の湧き水が流れている
浅間大社の東側は富士山の湧き水が川になっています。
ガラスの破片を敷き詰めたように光が反射しています。
泳いでいるのはニジマス。底まで澄んでいるのでくっきり見えます。
ニジマスは富士宮が日本一の生産量を誇っています。
猪之頭(いのかしら)という地域に静岡県水産試験場冨士養鱒場があり、様々な研究と供給用の生産が行われています。
餌をあげたい人のために、川の側でおばさんが餌を50円で売っています。
今後、ここも売り上げは増えるでしょうね・・・
水がきれいなため、水生植物がたくさん生えています。
湧き水の川には神社に行くための、朱色の橋が架けられています。
ここからは建物の東側に行きます。
正面から入る場合は交番の横の大きな鳥居から入ることになります。
参照先
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境内の中の摂末社と「湧玉池(わくたまいけ)」
浅間大社の敷地内にはいくつかの「摂末社(せつまつしゃ)」が設けられています。
摂末社とは、神社本社以外にその神社の管理に属し、境内や神社付近にある所為規模な神社のこと。「枝宮(えだみや)」、「枝社(えだやしろ)」とも言われます。
神社としての各式は「本社」>「摂社」>「末社」となるそうです。
これは川の中州にある「厳島神社」。社各は「末社」。
橋を渡ったところにある稲荷神社も社各は「末社」になります。
これは川の上流にある「水屋神社」。これも「末社」。
これは奥のほうにある「天神社」。これも「末社」です。
「摂社」は本殿の両側に祀られています。おそらく各上ということで、本殿の両サイドを固めているのでしょう。
下記の写真は上が「三之宮浅間神社」で、下は「七之宮浅間神社」です。
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「湧玉池(わくたまいけ)」
敷地を流れている川の上流には「湧玉池」があります。ここが湧泉になっており、浅間大社境内を伝い富士宮市内を流れる神田川になります。
この泉は富士山の伏流水で、毎日約20トンが湧き出しているという国の天然記念物。そして平成の名水百選にも選ばれています。
この看板にある歌は平安時代の歌人「平兼盛(たいらかねもり)」のもので、下記のようなに歌を詠んでいます。
つかうべきかずにをとらん浅間なる御手洗川のそこにわく玉
引用元;wikipedia.
湧玉池のほとりには「水屋神社」が設置されており、ここで湧き水である「霊水」を飲むことができます。
ただし、煮沸してから飲用するようにとの注意書きも出ています。
この湧玉池からも本殿に入ることができます。
重要文化財であることが示される看板が設置されています。
年に一度の流鏑馬祭り
この日は年に一度、5月4・5・6の三日間行われる流鏑馬祭りです。
流鏑馬とは、走る馬の上から指定された的を射るという武芸。平安時代から武士の間で広がり、今では各地で神事として行われています。
この日は最終日ということで既に4日から行われている行事の予定はほとんど終了していますが、多くの観光客で賑わっています。
露天商も数え切れないほど出店しておりにぎやかです。
ここは普段大駐車場になっています。