伊東にある東海館は現在日帰り温泉として昭和の美を残す観光施設となっている
2018-03-16T21:09:29+09:00 2018/03/16
東海館とは、昭和3年に昭和初期の建築様式で建てられた三階建の木造建築物で、東伊豆にあります。
当時の職人たちが、腕をふるって作った東海館。
使用された木材も高級なものばかりで、中には変わった形の木も使われましたが(変木)、それがまた、いい味をだし、美しい和風建築を生み出しています。
館内の廊下や、階段の手すりに職人たちの工夫を凝らした建築の美しさが滲みでています。
ですが、平成9年に宿泊施設としては、廃館になりその数年後、平成13年7月26日には市を代表する観光施設として新しく生まれ変わりました。
なので現在、東海館で使用出来る機関は、日帰り温泉(男女交代制)と一階で喫茶店だけとなっています。
これが東海館です。
川沿いに作られていて、夜にはかっこいいライトアップがされます。
詳細サイトの紹介
アクセス
温泉の特徴
源泉:自家源泉(松原25号泉)
泉質:アルカリ性単純温泉(低張性・アルカリ性・低温泉)
源泉温度:26.3℃
効能:神経痛・筋肉痛・関節痛・胃腸病・疲労回復など
貸出:ボディソープ・シャンプー・リンス・ドライヤー(無料)・タオル(有料)
営業日・時間:毎週土・日曜日及び祝日の11時~19時(但し、1月1日~3日は営業します。)
大浴場入浴時間(大浴場と小浴場は、男女入れ替え制となっていますのでご了承ください。)
女性:13時から14時45分、17時から19時
男性:11時から12時45分、15時から16時45分
*都合により入浴時間の変更もあります。
入浴料:大人500円・小人300円 *入館料も含みます。
外装
外装の紹介をします。
道路沿いとかでなく、狭い路地のような道に入り口があります。
これは、高級な旅館というより、庶民が楽しめる旅館として作られた影響かもしれません。
旅館の前には、民家と旅館があります。
正面玄関、入り口の写真です。
千と千尋の世界に出てきそうな雰囲気です。
入り口に入館料と入浴の看板があります。
入館料は、大人200円、小人100円。
入浴料は、大人500円、小人300円。
看板にもあるように、温泉は土・日・祝日となっています。
玄関が少し変わっていて、番号のついたクリップを自分の靴につけます。
注書きにもありますが、これは靴の間違いを防止するための対策です。
番号付きのクリップに、番号の記されたプラスチックの板がついていて、一枚はそのままクリップにつけておいて、二枚目は自分で持つことにします。
そうして、帰る時は番号を照らし合わせて靴を履く、というわけです。
内装
では、内装の紹介に移ります。
これは、入り口にある廊下の写真です。
東海館は、こういった飾りを部屋よりも廊下や曲がり角によく展示してありました。
こちらは客室の写真になります。
観光施設になっているので、宿泊として使うことはなく、扉がいつでも開放されていて、誰でも入れるようになっています。
部屋の真ん中にある机には、喫茶店のメニューが貼ってあります。
喫茶店は、甘味メインの喫茶店のようですね。
この日は、お昼すぎぐらいに館内に入りました。
まるで、この空間だけ時間が止まったかのような場所です。
外から見る日の暖かさと、この室内で感じた日は違ったもののように思えました。
窓からみた景色は、また違った景色です。
今は、宿泊施設に使っていないのがもったいないです。
一度、閉館しているので家具や、畳などは少し真新しい感じがありますが、それでも、建物に違和感なく溶け込んでいます。
一階の部屋からは、外から見た、梅の木が近くで見ることが出来ます。
写真の左下の照明は、夜にライトアップされる際に使われる照明です。
そして、二階へ。
二階には、東海館で有名な客室、牡丹の間があります。
牡丹の間の説明
昭和13年新館と呼ばれた客間の一つです。客室入り口には、透かしの入った擦りガラスの笹がとりつけられ、木造建築の良さを引き立てています。
床の間のつくりは、やや崩した造り「行」の構えと言われています。床柱には、天然杉の絞り丸太が使われています。
また、障子には、幾何学模様や綱干し状のデザインが施されていて、和風建築の技術が最高レベルに達した職人の技術の結晶を見ることができます。
先程みた客室とは違って、広く、机も重量感のある高級な物が置いてあります。
これが、説明に出てきた幾何学模様の施された障子です。
では、次は牡丹の間同様の人気があった朱雀の間に行きます。
朱雀の間
部屋の入り口の踏み込み部分には、飛び石風に配した輪切りの木が置かれ、その下には、コルクが敷かれていました。
床の間のつくりは、自由で閑寂な造りの「草」の構えと言われています。
床柱には、桜の皮付き丸太が使われています。
ここの書院は不書院(出書院)といって、縁側には出窓を張り出させ、障子と欄間を入れ、棚板を設けるものです。書院障子は組子細工が施されています。
なお、縁側の左にある板戸は、団体旅行など宿泊したお客さんたちが隣の客室と行ききできるように、つけられたものだそうです。
牡丹の間と同じような造りになっています。
障子は、牡丹の間のように幾何学模様が描かれています。
障子が少し破けています。
治すにもこういう技術を持った人がもう居ないのかもしれません。
一階の時とは、窓から見える景色が少し違います。
椅子も今まで違って、和風から洋風の物へ。
座ることは自由なので座ってみました。
見た目以上に柔らかく、深く座れます。
ただ、すごく軋みます。
二階からの景色は一階の時より開けて見えます。
上に行くほど、伊豆の街が見えてくるのでしょう。
次は3階です。
大広間
3階には大広間があります。
3階にある大広間は、宴会場として芸者衆を呼んで宴会ているシーンが人形を使って再現されています。
広間も自由に入れるようになっていて、舞台にも乗れます。
普段人形は、舞台で舞を踊っているように飾られているそうなんですが、現在はひな祭りという事もあり、酌をしている様子になっています。
この、雅の宴というのが東海館の代表的な舞で、イベントがある時に人形ではなく、本物の人間が舞いを踊ってくれます。
少し怖い感じもしますが、こうやってみているとその時代の雰囲気や三味線の音さえ聞こえてきそうです。
では、もう終わり?かと思いますが、実は東海館には展望台があります。
展望台
展望台は、細い階段を登って行きます。
この写真で見る以上に細いので、降りてくる人がいる場合は、待つのはがいいでしょう。
展望台も広いという感じではなく、一室のような感じで、天井も高くないです。
ただ、全面がガラスの窓になっていて、空間の狭さをあんまり感じません。
ここからは、東伊豆を見渡す事ができます。
美術部屋
東海館は、観光施設になってから美術品を展示する部屋が設けられるようになりました。
傷んでいた部屋を改築してあります。
展示される美術品は一定の期間公開されたら、また違う美術品が展示されます。
ここだけ、和風の雰囲気ではなく現代的です。
ただ、美術品の展示はこういった現代的なものばかりではありません。
「魔除 どんどろ」なんていうものもあります。
この部屋は、改築されずにそのまま使われ、どんどろが飾られています。
かなり大きく、迫力があります。
それと、別の部屋には絵画が飾ってありました。
旅館として使われていた時期の絵のようです。
窓に宿泊客が居ます。
細かな内装のこだわり
東海館の木造建築の話の中で出てきた、変木を使った内装の話をします。
これは、階段の写真です。
見て変わるように手すりの木が変わった形をしています。
このように、一見して木造建築に向いていないような木を、違和感なく、むしろピッタリあったように美しく使います。
手すり以外にも変木は使われています。
廊下の飾りや、室内に入り口の飾りなど、目に入る景色に必ず使用されていました。
町並みに
また、東海館周辺の町並みも美しく、東海館の雰囲気に合わせたつくりになっています。
例えば、東海館の前の川を挟んだむかえの道は、柵や電灯がおしゃれな和風の様式になっていて、いかにも旅館街といった感じ。
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