合鴨農法のデメリット、メリットは?無農薬だが農法が減少している理由は最後が残酷な為
2018-06-03T23:06:02+09:00 2018/06/03
皆さんは、田んぼに合鴨が居る光景を見たことがありますか?
実はその合鴨たちは自然の合鴨ではなく、意図的に飼われた合鴨の場合があります。
これを合鴨農法といいます。
合鴨たちを田んぼで飼い、雑草を食べてもらったり、害虫の駆除、合鴨の糞尿を肥料し、ほぼ無農薬でお米を栽培させます。
今回は、この合鴨農法の概要、やり方、メリット、デメリットなどについて紹介します。
尚、現在ではこの農法が残酷なためほぼ廃止になった理由も話したいと思います。
合鴨農法についての概要
合鴨農法とは、水稲作(普通の田んぼ等の事)においてアイガモを利用した減農薬もしくは無農薬農法のことです。
有機農業の一種でもあるが、アイガモの肉は畜産物として食肉処分されるため、畑作と畜産を組み合わせた複合農業という言い方が正しいと言われています。
合鴨の値段が以下のようになっています。
合鴨の値段
- 成鳥:アイガモ 15,000円(税別)
- ヒナ:アイガモ 3,000円(税別)
(※平均的な値段でなので多少の上下はあります。)
合鴨農法の歴史
ネットや本で調べたものを要約した合鴨農法の歴史になります。
だいぶ曖昧な部分はありますが、少しでも役立つと嬉しいです。
日本には平安時代頃に中国大陸からアヒルやアイガモが渡来し、日本でも家禽(かきん:野生の鳥を人間の生活に役立てるために品種改良を施し飼育しているもの)として定着しました。
安土桃山時代には除虫と番鳥を兼ね、豊臣秀吉が水田でのアヒルの放し飼いをした第一人者と言われている。
しかし、その後の江戸時代には、田に家禽を放つ技術が急に見られなくなる。
そして近代に入ると、飼料費の節減が国から促されるようになり、再度アヒルやカモを水田・河川などで放し飼いにする事始まった。
だが、逃亡や獣害を呼び寄せるためあまり流行らなかった。
その後、戦中・戦後の食糧難の時期に、アヒルなどを日中のみ水田に放す複合農業が愛知県や神奈川県で盛んに試行されたが、アイガモはまだ用いられていなかった。
日中のあいだ合鴨を水田で放し飼いにして草や虫を食べさせ、日が暮れると合鴨を小屋へ移動させる合鴨農法は、1960年にようやく知名度をあげる。
だが、同時に農薬を使うようになった年代でもあり、すぐに廃れた。
合鴨農法の流れ
簡単に流れを言うと、生まれたてのアイガモの雛を毎年田植えの時期に購入し、放鳥し、稲穂が垂れる時期になると捕獲され食肉用として処分します。
なぜ稲穂が垂れる時期になるとアイガモを処分するのかというと、稲穂を食べてしまう為でまた、飼育が難しいことや養殖のアイガモを野生に放すことが禁止されているのも理由となっています。
もし、可哀想、残酷などの理由から飼育を継続したとした場合、成長した合鴨は背が高くなってしまい、収納に困るのと成熟後の合鴨は早い時期から稲穂を食べてしまうので翌年に使いまわすことも出来ませんので、合鴨農法をする際は、処分する事を覚悟しましょう。
もっと細かく説明すると以下のようになります。
合鴨農法を細かく説明します。
まず、アイガモを放す前に田んぼの周りにネットを張り、電気柵を設置することも忘れてはいけません。
これは彼らが逃げないようにする為でもあり、また野犬などの害獣から守る為でもありますので絶対忘れないようにしましょう。
そして、準備が出来たら水田に、生後20日ほどのアイガモを放します。
田んぼの面積にもよりますが、30〜50羽ほどだそうです。
放たれたヒナたちは教えなくても稲の間を元気に泳ぎながら、エサ(害虫や雑草)を探し始めます。
稲の生長とともに、アイガモたちもスクスクと大きくなります。
雑食性のアイガモは集団で水田内を泳ぎながら、害虫や雑草の芽などをせっせと食べてくれます。
ウキクサなどは一切見られないようになります。
秋の初めくらいから稲が大きくなり穂を付け初めた頃、アイガモの仕事も終わりになります。
稲の穂とモミはアイガモの大好物なので、食べられては一大事、処分は早めにしましょう。
以上が合鴨農法の流れです。
合鴨農法のデメリット、反対意見、メリットについてのまとめ
アイガモ農法のメリット
- 除草:アイガモはイネ科の植物は食しませんが、田んぼに生える雑草を食べるため除草効果が期待できます。
- 中耕:アイガモは田んぼを移動する際に、くちばしや足で田んぼの泥水をかき回し、稲の根に酸素を供給(攪拌ともいう)します。また、水がかき回されることで雑草の繁殖も抑えることが出来ます。
- 肥料:アイガモの排泄する糞尿が優れた有機肥料になります。
- コスト:低減と副収入、アイガモ農法によって農薬代や肥料代を抑えることができます。
また、復讐には成長したアイガモは食用として販売することもできる事も含まれます。
反対意見ORデメリット
反対意見とデメリット分けて紹介します。
まず、反対意見についてです。
これは、あまり合鴨農法を快く思っていない人がなぜかを箇条書きにしました。
- 鳥が逃げないよう、また外敵に襲われないよう、網で囲ったり電気網を張るので子供に危ない。
- ガーガーうるさい。
- 脱走した場合、他の作物に被害が及ぶ。
- 首を締める絵が残酷。
- 衛生的に不快感を感じる。(糞を肥料にしている事を指す)
などです。
ネットの書き込みや本などからの知識をまとめました。
反対意見というは、農家ではない人たちの意見であり、デメリットには含まれません。
衛生面については、少し私も共感します。
科学的に作られた肥料のほうが、虫などは入る空きはありませんからね。
では、続いてデメリットについてです。
デメリッ卜について
デメリットは実際に合鴨農法を行ってみた農家の人の意見が主になっています。
以下の箇条書きがデメリットとなります。
- 合鴨農法はヒナを使う事が中心のため、成長したら毎年廃棄しなければならない。これが本当に大変で、通年で出荷されるわけではない、食肉として飼育されていない合鴨は案外売れない。
- 田んぼの雑草だけでおなかいっぱいになってはくれず、それとは別に餌をあげなければならない。
- 田んぼから逃げたら困るので、田んぼの周りを囲む柵を設置します。農業機械を使う必要はありますから、いちいちと取り外したりと手間がかかる。
-
合鴨の飼育が面倒で、小屋に戻す時は夜になる前、放つ時は朝早く田んぼに放たないといけない。
-
気ままに動くアイガモちゃんは結構群れるのでまんべんとなくは処理してくれない。
以上がデメリットです。
以外だったのが、雑草以外のエサ代がかかる事と食用として売るのが難しいという事でした。
副業になると言っている人、行っている人たちはかなり合鴨を太らしているのかもしれません。
では、これだけデメリットがあるのでは農薬での処理が楽なのでは?コストがかからないのでは?と疑問が湧きます。
なので、農薬を使った場合説明を少しだけ記載しました。
農薬(肥料)を使った場合メリット、デメリット合鴨農法との比較
農薬を使う場合は、質のいい農薬を使う事が不可欠になります。
なぜなら安価で質の悪い肥料を土に混ぜてしまうと、害虫が寄り付きやすい環境になってしまい売り物になりません。
そして栽培する土地の面積や肥料の質で、かなりコストや手間が変わってしまうので、一度の失敗が大惨事になります。
ただし、メリットももちろんあり、良い農薬を使えば作物の育ちやすく、手間やコストが農薬だけで済みます。
つまり、アイガモ農法は放飼することにより、雑草や害虫を餌として食し排泄物が稲の養分となり、化学肥料、農薬の不使用によるコストの低減および、化学肥料による稲の弱体化を回避出来、病虫害の低減を計れるというメリットがありますが、アイガモの雛の購入代金や捕食されるロスや餌代を考慮すると利益は少なく、何より手間がかかります。
なので、時間が早い事を求められる現代の米づくり農業では合鴨農法より、農薬による農法が主流になっていると考えられます。