山梨の穴場観光地・ミシュラン3つ星「久保田一竹美術館」は河口湖の北岸
2013-08-25T10:00:44+09:00 2013/08/25
「久保田一竹美術館」を知る前に、まずは「久保田一竹」という人を知る必要があるでしょう。
私も着物の染色家ということぐらいしか知らなかったのですが、過去においてミシュラン観光ガイドの3つ星にも選ばれたということで少し調べてみました。
まずはじめに、「久保田一竹」という人は既に2003年に逝去されています。享年85歳。
どうやらこの方は海外でも評価されているほど有名な染色家で、1980年代後半から2009年位までヨーロッパやアメリカ、カナダ等多くの場所で展示会を開催しています。
どんな染物をしているかですが、これは室町時代に栄えたらしい「縫締絞(ぬいしめしぼり)」の辻が花染めというもの。これは幻の染めと言われるものらしく、室町時代に栄えたわりにはこつ然と姿を消したそうです。
久保田さんはそれを現代に復活させています
久保田さんは20歳のときに、その「辻が花染め」というものの美しさに大変魅了されます。
そして長い年月と戦争という厳しい時代背景の中で研究を重ね独自の技法「一竹辻が花」という染色技術を60歳のときに完成させたそうです。
その後は数多くの作品を世に生み出し、国内外において展覧会を開催し大好評を得ます。
その結果としてはフランス政府から「フランス芸術文化勲章シェヴァリエ章」というものを受賞したり、国内では文化庁より「文化長官賞」を受賞したりしています。
この美術館は1994年に自らの資産を投じて完成させたもので、館内では作品の展示と久保田さんの功績を紹介する映像がDVDで紹介されています。
尚、館内は撮影禁止とのことで庭園や撮影が許されたコレクションルームの写真しかありません。
作品や人物の詳細等はページ下の「詳細情報・関連記事」をご覧ください。
山梨の穴場観光地・ミシュラン3つ星「久保田一竹美術館」・メニュー
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「久保田一竹美術館」の場所・アクセス
地図ではこの位置。
住所は山梨県南都留郡富士河口湖町河口2255。
川口湖大橋を渡り甲府方面に向かうと、下の案内標識が出てきます。
ここを左折。湖北ビューラインで河口湖の北岸のほうに向かいます。
写真はクリックで拡大します。
川口湖オルゴール美術館」や「猿まわし劇場」、以前紹介した「きみまろ茶や」等を通り過ぎ、5・6分走ると「広瀬」という交差点が見えてきます。
ここを右折すると左側に「久保田一竹美術館」の看板が見えてきます。
湖畔から入った所にあるので目立ちませんが、場所が分かればマイカーで簡単に来れます。
しかし、ミシュランにも紹介されたとなると海外からも観光客が訪れるでしょう。
その割りには、最寄の駅は「富士急行線河口湖駅」が遠いし、バスは河口湖周遊「レトロバス」の停留所、久保田一竹美術館前というのがありますが、1時間に2本位なのでけしてアクセスが良いとは言えないでしょう。・・・知名度から考えるとこれでは穴場観光地になると思いますよ。
すばらしい正門と大滝がある庭
駐車場は100台以上停められます。
駐車場のすぐ横に正門が造られています。
独特の雰囲気がある正門ですが、これはインドの古城で使用されていた扉を組み合わせて造っているそうです。
芸術家らしいこだわりが感じます。
営業時間は時期により異なりますが、原則として9時30分~17時00分。
定休日はないようですが、12~翌3月は水曜休、祝日の場合は開館、1月第1水曜は開館、12月26~28日は休みになっています。
料金は大人1300円、高・大学生900円、小・中学生400円(15名以上の団体は大人1100円、高・大学生700円、小・中学生200円)。
この他に近辺の観光施設2つと合わした割引料金(クーポン券)がありました。
正門を入るとセンスの良い庭が広がっています。
階段の組み合わせや手すり、ベンチ等が日本庭園の設計に上手く溶け込み無国籍な雰囲気を出していますが、わざと奇を衒ったようないやらしさがありません。
庭の奥に行くと地中海にある別荘のような建物。屋上に上がる階段が右側にありましたが立入禁止になっていました。
ここは受付やDVDルーム、ショップ、カフェ、特設ギャラリー等が入ってる建物です。
ここを含めた作品展示室は撮影禁止となっていました。
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撮影できた場所
中庭と奥の茶房、建物の後ろにある散策路は撮影できるようなので何枚か写真を撮ってきました。
下の2枚は中庭の階段から見た入口の建物。
グリーンのパラソルが見えますが、その中がカフェになっています。
階段を上がると作品展示室。この中は撮影禁止ですし、作品に触れることなどは絶対できません。
入口に係りの人が見張ってましたから、変なことをすると怒られますよ(笑)。
尚、作品展示室は一千年を越す「ヒバ」の大黒柱を何本も使った建築物で、床面積は200平米あるそうです。
ログハウス工法と伝統的な職人技を融合させたものらしく、大変お金が掛かっていそうな内部構造でした。作品はこの中の壁側一面と、中央の舞台に専用の衣桁(いこう)らしきもので展示されています。
茶房
本館「作品展示室」の奥に茶房があります。
茶房と言っても久保田さんのコレクションルームのようなスペースで、海外から収集してきた珍しい古美術や日用雑貨等でくつろげる空間を創り出しています。
左下はアフリカのどこかの国で使われていたベット。装飾品はインドやアフリカ、東南アジアから集めたものだそうです。
床の石は「琉球石灰岩(サンゴ等の堆積岩)」を敷き詰めているらしいですよ。
窓からは中庭が見え、池の中には魚が泳いでいます。
散策路
散策路は作品展示館の両側に造られています。
とにかく正門から目を引くのは紅葉の木の数。この辺には一本も紅葉は生えていなかったそうですから、全てこの美術館のために植えられたものです。
ここの庭は、久保田一竹構想のもと自然の環境を活かしながら、京都の造園家「北山安夫」という人が手がけたそうです。
紅葉の他には桜やつつじ、高山植物、山葵等、四季折々の彩を楽しめるように隅々まで設計されています。
東側の散策路から展示室の中が見えました。
慈母普賢菩薩像
散策路の最終地点に洞くつがあります。
これは久保田さんの亡き母を偲んで、中に菩薩像が納められています。
インドの仏師に彫ってもらったそうです。