畝の作り方 平畝や高畝、短冊畝の簡単な説明 畝を立てる前に必要なもの 畝を立てなくても良いばいいについて
2019-08-01T00:28:08+09:00 2019/08/01
前回の記事畑を耕す道具と使い方 腰を傷めないで耕すには鍬の重さで振り下ろす事と鍬選びが大事で紹介した道具を使って「畝」の立て方を説明します。
畝を立てる前の準備について
畝を立てる前に行う事があります。
「土を耕す」事です。
基礎となる土のコンディションを整っていないと畝を立ててもうまく野菜は育ちません。
土を耕すとは?
土を耕すとは簡単に言うと「作物の根がグングン伸びるようなふかふかの土を作る」という事です。
図で表すと以下のようになります。
土を耕す前に土の状態を観察しましょう
土を耕す時に最適な状態は、土に適切な水分があるときです。
多湿時に耕すと土が練られ硬くなって排水不良や生育不良になります。
逆に、乾燥時に耕すと細かくなりすぎて粒が壊れて、粘土質に土が固まってしまいます。
なので、土を触った時に少し湿っている、ドロドロじゃない、さらさらじゃない状態の時に耕しましょう。
土壌改良が必要な場合もあります
せっかく土を耕しても、土の状態が悪ければ作物は育ちません。
なので、土の状態をよく観察する必要があります。
例えば、粘土質の土は雨が降るとぬかるみ、砂質土壌は保水性が低いため雨が不足すると乾燥しやすいなど、農作業で大変な思いをしないために、しっかり見極めましょう。
粘土質改良する場合
腐葉土などの植物質堆肥、黒曜石パーライトを投入し、柔らかくします。
砂質土壌改良する場合
バーミキュライトやゼオライトを投入し、水保ちをよくします。
他にも粘土の投入がありますが、初心者向きではありません。
畝を立てるのに必要な道具について
まず最初に最低限必要なものを紹介します。
鍬(くわ)。
作物を畑で育てる時には必須のアイテムです。1本あるとかなり便利なので用意しましょう。
板。
板を使うことで畝のでき栄えがグンと良くなります。
支柱・ひも。
真っすで綺麗な畝を作りたいとき使います。
揃えておきたい道具
メジャー。
長さや、高さを図るのに使います。
角材(またはレーキ)。
出来上がった畝の表面を平らにするのに使います
これらの農具がセットになったものが通販など売っていたりしますが、道具は柄の長さや重さが重要ですから、実際に手にとってみて、自分の体格にあったものを選ぶことをおすすめします。
畝の種類
高畝
土を高く盛り上げてつくった畝で、表面積が広くなり、太陽熱や酸素が吸収されやすく、また排水性がよくなります。
メリットは、水はけの悪い場所に有効な畝です。
片方が終わったら今度は反対側も同じように内側に向かって土を上げていきます。
すると、畝の端の線と端の線との間に土の山ができ上がります。
平畝
畑作で、小高い畝を作らず、平らなままにしたもので、畝立ての作業量が少なくてすみ、畝間や畝の斜面などが小さいので、土地が有効に利用できます。
乾燥しにくいので、排水性のよい土地に適しています。
つくり方は、堆肥や肥料などを混ぜ込んだ土地を整地するだけです。
平畝は、畝を作ったあとの種の撒き方が多様なのがメリットです。
短冊畝
高畝を適当な幅(60~180cm程度)で、10~20cmぐらいの高さにならしたものです。
高畝と平畝の中間的な特徴があり、タネまきや定植などの作業もやりやすくなります。
つくり方は高畝とほぼおなじです。
高畝より高くなく、平畝ほど平たくない畝のイメージで作り、たくさん畝を作れるのが特徴です。
なぜ畝を立てる必要があるのか?
畝を立てることは、あちこちに野菜を植え付けるよりも「野菜を育てるスペース」と「作業する通路」を分けることで、効率も良くなり、限られた敷地内で効率の良い野菜作りができます。
畝を立てるメリットについて
実際に畝を立てるとどんなメリットがあるのか?
先程でも話ましたが、畝の高さは土地の排水が悪ければ畝を高く、そうでなければ低く作ります。
排水性の調整を主な理由
雨の多い梅雨時期は雨や豪雨が続きます。
すると、排水性の悪い土壌では水たまりができ、作物の根が水に長時間浸かり腐ってしまいます。
畝を立て排水性の良い環境にすることで、作物の根が長時間水に浸されることを避けることができ、梅雨の時期を乗り越える事ができます。
作業効率UP
腰をかがめての農作業は、足腰への負担がとても多く体に負担がかかってしまいます。
なので、畝を少し高めに立てることで、屈む体勢が軽減され作業を楽にすることができます。
必要な部分の土が深く耕せる
野菜を育てる場所としてピンポイントに畝の部分だけを耕すことができるため、労力も最小限に抑えることができます。
不必要な労力がなくなる事で体の負担、効率もあがります。
畝を立てなくてもOKはあるのか?
畝を立てなくてもいい場合があるとすれば、初めから畝を立てなくても野菜が育てられる、効率もよいなどの満たされた条件の下では、わざわざ畝立をする必要はなくなります。
まず、排水性が充分ある土壌にわざわざ畝を立てることで、逆に保水性が無くなり、作物が乾燥状態になってしまいます。
畝を立てる前に土壌がどんな性質のものなのか把握し、畝を立てるべきか、そうでないか判断してから畝をたてましょう。
具体的な畝(高畝)の立て方
畝をうまく作るコツは、畝の大きさの目安を知り、それに沿って作る事です。
『深さ30cm、高さ20cm、幅は肩幅』が比較的一般的な畝の目安です。
畝を作る手順
【1】紐を張って畝の位置を決める
畑の端、または最初に決めた位置に紐を張ります。
畝を作る場所に、深さ約30cmの溝を掘ります。
掘った土は、溝の脇によけておきます。
できれば、しばらくそのままにして、空気に触れさせるとより良いそうです。
溝の深さは、シャベルの刃の部分の高さがおよそ30cmです。
【2】畝の四方に溝を作る
紐を目安にクワで溝を作ります。
掘り上げた土は畝に盛ります。
溝は紐の内側でも外側でもかまいませんが、畝の幅を間違えないように注意してください。
続けて四方に溝を作ります。
掘り出した土を、溝に戻して、畝を作っていきます。
土は、一度掘り起こされて、空気を含む少しふっくらしている場合が多いので、予想よりも高い畝になる場合があります。
3】畝を形成して整える
角材や板、レーキで畝の表面を平らにします。
この時、大きな土の塊があれば砕いて細かくし、大きな石や枝などは取り除きます。
以上で畝が完成です。一度覚えてしまえば次に作るときは簡単だと思います。
初めて畝を立てたのであれば、鍬の扱いに苦労されて疲れたことと思います。
でも、実はクワは使い慣れれば、疲れずに作業ができる道具なので、これを機会に畑作業で鍬をなるべく取り入れましょう。
畝を立てる時の注意点
上から押さえたりせず、ふんわりと盛ることがポイントです。
畝を作る理由は冒頭でも話しましたがいろいろあります。
冒頭の説明には入れませんでしたが、高くすることで、雑草を進出させにくく目的もあります。
そして、だいたいの野菜の栽培に適用できる畝の大きさが、「高さ20cm、幅は肩幅」なのは、高さを高くしすぎると、畝が崩れやすくなるからです。
また、幅が肩幅、というのは、畝の間で作業をするのに、肩幅くらいだとちょうど手が届きやすいからです。
畝と畝の間は人が通るスペースなのですが、野菜が育ってくると通りにくくなる場合があるので、なるべく広いくするか、畝を一つだけにするなど工夫しましょう。
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