世界遺産「人穴富士講遺跡」は人穴浅間神社の境内にあった
2013-05-20T17:50:47+09:00 2013/05/20
富士講というのは、角行藤仏(長谷川角行)という行者により創唱された富士信仰の一派が信仰を行った講社や宗教運動全般のことを指すらしい。
「角行(かくぎょう)」とは、信仰上の開祖。俗名は「長谷川左近藤原邦武」です。
この富士講信者は富士山の登拝以外にも、白糸の滝や富士五湖、忍野村にある「忍野八海」のほうにも巡礼に行っていたとされます。
そのため、世界文化遺産の候補にこれらの地域も入っているのでしょう。
さて、敷地内に幾つもある碑塔は全部で200基を超えます。この人穴が角行修行の聖地であると考えるようになったため建てられたようです。
この碑塔をまるで管理しているかのように建てられた神社が「人穴浅間神社」。
この神社は、角行を主際神にしています。主際神とは一般に、いくつか祀られている神の中で中心的存在のもののことをいいます。
境内の入口付近にある洞窟が「人穴」と呼ばれるもので、冨士講の開祖である長谷川左近藤原邦がここに篭って修行を行い、ここで亡くなっていったそうです。
そのため人穴には供養碑や記念碑といった碑塔が冨士講講員により建立されて今も残されています。
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人穴富士講遺跡への行き方
大きな地図で見る
東名や新東名からは西冨士道路(139号バイパス)とそのまま続く139号線に乗り、富士宮市内を通り抜け「白糸滝」に行く「上井出インターチェンジ」を左に降ります。
降りると信号がありますのでここを又左に行きます。
ちなみに、右に行くと富士山新五合目・表冨士登山道富士宮登山口や山宮浅間神社・村山浅間浅間神社に行くことができます。
しばらく行くと「上井出」の交差点が見えてきます。
ここの交差点は少し変形していますが、間違わずに右折します。71号線本栖方面に曲がるということです。
このように右側に道が重なっています。
延々と真っ直ぐ行くと途中の右側に、富士宮市に移住している「工藤夕貴」が経営する「カフェ.ナチュレ」という店があります。
ちなみに、ここでは有機栽培で育てた野菜で作ったメニューを提供しています。
ここも通り過ぎ、真っ直ぐ71号線を5~7分程度行くと右側の道端に浅間神社の鳥居が見えてきます。
この鳥居は道に面しているのですが、道と平行しているようにくっついているため意外に分かりにくいかもしれません。
鳥居の前にはこの付近では1軒しかないと思われる「肉うどん」の店が目印です。
鳥居の入口には「人穴」の案内が記されています。
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案内所が新築されている
鳥居を入って行くと左側に大きな駐車スペースがあります。
舗装はされていませんがかなりの広さ。恐らく100台以上は楽々停められるでしょう。
駐車場の奥の左側には人穴の案内所。トイレも併設されています。
これは「史跡富士山整備基本計画」に基づき、2013年2月下旬に完成しました。
建設費は神社が3千万、遺跡が2500万かかったそうです。
この日は係の人は居ませんでしたが、世界遺産に登録されるようになると常駐するのかも知れません。
今のところは地元住民や観光ボランティアガイドが土日・祝日等には居るみたいです。
休憩所には富士山信仰の歴史文化を紹介するパネルと、4カ国語で書かれた冊子が用意されています。
近くには冨士講遺跡の歴史を記した看板があります。
浅間神社と遺跡群
駐車場の奥には神社に続く長くて緩やかな階段。
ここを登りきったとこが境内になっており、浅間神社と遺跡群、人穴があります。
階段の途中にも遺跡らしきものが・・・
階段を登りきると、両側に歴史を感じさせる遺跡が立ち並んでいます。
その奥には新築された「人穴浅間神社」。
新築されただけあってさすがにきれいです。
人穴浅間神社についての歴史や鎮座地などが書かれている看板が立てられています。
鎮座地とは神社の住所のことで、社務所がある場合は社務所の地番となり、無いときは本殿の地番が鎮座地になります。
人穴浅間神社の鎮座地は富士宮市人穴206番地。
御祭神には「木花咲夜媛命」「源家康朝臣」「藤原角行」と書かれています。
「木花咲夜媛命(このはなのさくやひめのみこと)」とは古事記や日本書紀に出てくる女神。天照大神の孫にあたる「瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)」いわゆる天孫で、女神はその妻になります。
例祭日とは年1回行われる例祭の日のこと。祀られている神の命日や誕生日になっていることが多いようです。この神社は7月10日になっています。
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富士講遺跡の数々
境内にはいくつもの冨士講遺跡が残されています。
一際目立つお地蔵さん。もしかして源家康朝臣?
遺跡の奥には道がある。
この道は下の道路に繋がっているので、階段がきつい人はここから登ると良いでしょう。
人穴は立ち入り禁止!?
浅間神社の本堂の右側に「人穴」はあります。
穴の上には「冨士浅間大神」と彫られた石碑。
これは「木花咲夜媛命(このはなのさくやひめのみこと)」のことらしい?!
現在洞窟内へ立ち入る場合は許可が必要です。
穴を見ていると頭にライトを付けた人が出てきました。
聞いて見ると、真偽は定かではないが、どうやら中に入る許可を得ているとのこと。
そこで、この人にお願いして洞窟の中の写真を撮って来てもらいました。
穴の高さは1,5m位で奥行きは2・30mあるかどうかという位らしい。ただ資料を見ると最奥部までは80m位あるらしいので、この祠の奥はまだ穴が続いているのかも知れません。
これは奥にに祀られている神様。おそらく「藤原角行」だと思われます。
洞窟入口には小さな神様が・・・
確かに画像から判断しても、安全が確保されているとは思えません。
興味本位で中に入ることは避けたほうがいいと思われます。