2019年のたけのこはどうして高値になったのか?冬が長かった影響で生産が少ないため
2019-05-11T19:48:29+09:00 2019/05/11
なぜ、たけのこについて調べてみたかというと、今年のたけのこの取れ高は高値だったがきっかけでした。
原因は、天候による不作です。
冬が長くなかなか春が来なかったためと、暖かくなったと思ったら雨があまり降らず、寒くなったりしたためと考えられています。
たけのこは、古くから日本で親しまれてきた食材なので、楽しみにしていた方やたけのこ料理を扱うお店に大きな損害も与えかねません。
こういう時、多少なりともたけのこの知識あれば何かかわるのではと思い記事を作りました。
まず、最初にたけのこの生体、栽培方法について。
たけのこの生体や生産量、栽培方法について
たけのこは昔から、私達日本人に馴染まれてきた食材で、日本や中国などの温帯から亜熱帯が主な群生地です。
有名な話で「たけのこはわずか10日で竹になる」というのがありますが、これは半分本当で、10日は定かですが、生育がとにかく早いのが竹の特徴です。
たけのこの名前もそこから来ていて「筍」(たけのこ)という名前の由来は、竹かんむりに「旬」と書き、これは日にちの単位を表す「旬」(じゅん・10日間のこと)からきているという説があるほどです。
実は、たけのこにはオスとメスがある
たけのこには実はオス、メスがあります。
私達がたけのことして一般的に食べる孟宗竹(もうそうちく)には、雄雌の違いがあるわけでなく、オス、メスといわれるのは品質の違いからくるもので、クロコとシロコと呼ばれています。
味や品質にも違いがあります。
たけのこのクロコ(オス)について
クロコは皮の色が黒っぽくて芽の色の緑が濃く、形は縦に長いがっしりしています。
このように、クロコは色黒でたくましい見た目からオスと認定されているようです。
たけのこのシロコ(メス)について
クロコと同様で、シロコ(キイコ)も見た目が色白でずんぐりしているからメスと認定されいるようです。
たけのこのオス(クロコ)とメス(シロコ)での味の違いについて
シロコのほうが肉質が柔らかで、掘りたては刺身でもいけるほどで、味が豊かなので、大ぶりに切って薄味の煮物にしても十分味を楽しめます。
一方、クロコはシャキシャキと歯触りが良く、細切りにしてチンジャオロースや、薄切りにしてたけのこご飯などにするなど、歯ごたえを楽しむ料理に向いています。
クロコの方が繊維が多いです。
たけのこを栽培する方法
以下の文は、JA福山西の筍栽培管理の記事より。
年間作業工程
- 3月頃 :筍掘り
- 4月上旬:親竹の選定
- 5月上旬:お礼肥え(施肥)、親竹のしん止め
- 6月頃 :草引き、サバエ刈り
- 8月頃 :夏肥え(施肥)
- 9月頃 :親竹更新・伐採
- 10月中旬:敷きワラ、草敷き
- 11月頃 :施肥、土入れ
工程の詳細は以下のようになっています。
筍掘り・収穫
筍掘りは、一般的には3月下旬から多くのところで始まりますが、ひな祭りの前後から始めるところもあります。
筍は、まだ土の中にあるものを掘り出します。土の表面のひび割れで見つけます。
親竹の選定
筍の収穫作業と並行して、親竹の選定を行いましょう。
竹は一般的に、成長して5〜6年ぐらいで筍を産まなくなるので切って処分しましょう。
切ることを決めた親竹の近くに出てきた筍を親竹用として選び、およそ3.3平方メートルに1本の間隔を目安に親竹には分かるように目印を付けましょう。竹の枝を1本もぎ取り、葉の先の部分を結んで玉状にして、それを親竹に選んだ筍の横に挿しておくとよいでしょう。
親竹は選ばれて1年目は、まだ筍を産みません。次の2年目から産み始めます。
お礼肥
筍を掘った後の穴には、次々と肥料を入れます。
これを、「お礼肥(おれいごえ)」や「穴肥(あなごえ)」といいます。
一般的には、窒素、リン酸、カリなどの配合肥料が使われています。
顆粒状の肥料を、一つの穴に茶碗一杯分ぐらい入れて、上から土を被せましょう。毎年、同じ肥料を使うケースが多いですが、年ごとに肥料の種類を変えられている所もあります。
しん止め
5月中旬になると、選んでおいた親竹が、高く見上げるほどに成長しますので、必要以上に伸びないように先端を折る作業を「しん止め」や「先止め」といいます。
その方法は、親竹とする竹を両手で揺するだけで、柔らかい先端部分は、弓なりになり、あっという間にポキッと折れて落ちてきます。
そのとき3メートルほどの先端部分が落ちてくるので当たらないように注意してください。
親竹の「しん止め」をするタイミングは親竹の下の方に、新しい枝が出始めた時が、良いタイミングです。
「しん止め」をせずに放っておくと、竹はどんどん伸びて、葉が生い茂り、日光がさえぎられ、台風で竹が折れやすくなりますので遅れないように行いましょう。
サバエ刈り
親竹を決めた後、肥料を入れた数日後に、竹林全体に細い竹が生えてくることを「サバエ」と呼んでいます。
放っておくと大きく伸びて土中の水分や養分を取ってしまい、筍の成長に影響します。
そこで、「サバエ」を一本一本、鍬などで切り取る作業が必要となります。
すべて取り除くのは根気と体力を要する作業ですが、次の年に良質な筍を産ませるには欠かせない作業となります。※この時期に使用できる除草剤一覧(表2)
夏肥え
8月から9月頃になると、竹の細い根が竹林一面に広がっていきますが、この時期に肥料を与えて良質な筍を産ませるようにしましょう。
およそ1メートル間隔で、地表を削るように鍬で穴を開け、そこに粒状の肥料を少しずつ入れて、土を被せていきましょう。
筍収穫後、竹林は竹の葉が落ちて、びっしりと地表を覆っている時に親竹が養分を蓄えます。
親竹更新・伐採
9月の彼岸の頃になると、竹の代替り時期を迎えます。
親竹選定で選んだ竹の近くにある6〜7年生の古い親竹を伐採しましょう。
この作業は寒さが近づく季節に日光を多く取り入れ、地温を上げる意味合いもあります。
親竹としての役目を終えて切った竹は、竹炭やチップにして肥料代わりにすることも出来ます。
敷きワラ
10月中旬から下旬にかけて、秋の色が濃くなってくる竹林・筍畑では、刈り取りが終わった稲ワラをびっしりと敷くことで、土の温度、湿度を保ち、土が硬くならないようにしましょう。
長いままのワラが手に入りにくくなっている場合、細かく切られたワラを敷いても良いでしょう。
土入れ
11月頃に、ワラを敷き詰めた上に土を被せて、ワラを覆いましょう。
ワラに被せた土は、筍が育つ地中の保水・保温効果があり、ワラも腐ると肥料になるのに加えて、筍が地表に出るのを遅らせ、筍の先端が日光で日焼けせず、「しらこ」と呼ばれる色白の良質な筍を収穫できます。
この作業後は、3月の収穫を待つだけになります。
以上がたけのこの栽培方法になります。
たけのこの旬について
たけのこの種類について
たけのこには沢山の種類があります。
ハチク(淡竹)最盛期は3月半
メダケ(雌竹)5月頃 苦い
カンチク(寒竹)晩秋から冬
シホウチク(四方竹)秋から冬
トウチク(唐竹)ダイミョウチク(大名竹)5~6月頃
チシマザサ(千島笹)ネマガリダケ(根曲竹)の別名。5~6月
ホウライチク(蓬莱竹)夏
ホテイチク(布袋竹) 5月上上旬
など様々です。
モウソウチクが最も美味しく、安く沢山出回る食べ頃の旬は3月から4月です。
次に美味しいハチクやマタケは、もう少し遅い4月中旬頃から6月にかけて、ネマガリタケは更に遅く5月中旬頃からが旬となります。
つまりたけのこの旬は、春から初夏と言えるでしょう。
たけのこの選び方
たけのこの選び方についてです。
1、ツヤがある(皮)
2、イボの色が薄い(根元)
3、黄色から薄い黄緑色(穂先)
4、もった時重みがある(重さ)
たけのこは穂先が土から出て日に当たると、えぐみが強くなり風味が落ちます。
なので、穂先の色が濃い緑でない、黄色や黄緑色のものを選ぶ必要があります。
日に当たったものは穂先が濃い緑色になります。
またたけのこは、収穫するタイミングが生長し始めてから早いほど苦みやアクが少なく美味しいとされており、竹に生長するにしたがい、含まれている甘み成分が消費されてしまいます。
また、繊維質も増加して堅く締まり、苦みもより強くなって食用には適さなくなります。
根元のイボが赤いものは良くないはよく聞きますね。
たけのこにも毒があるのは本当か?
一部の界隈でたけのこにも毒があるのではと言われていますが、確かな情報はありません。
たぶん、野生のたけのこはアクが強いので、よくアク抜きをしないと口の中がピリピリするほどです。
なので、それを食べた人から口コミで広がった風評かと。
ですが、根本的にたけのこへの知識がない一般人が収穫するのは危険なので、植物図鑑や専門家、市場で売っているものを食すのが懸命です。正体をよく確かめましょう。
たけのこの過去五年内の収穫量
過去五年でたけのこの収穫を調べて見ることに。
(一番出荷が多い福岡にライトを当ててます)
野菜ナビより
2013年 24、203トン
2014年 36、364トン
2015年 28、980トン
2016年 35、619トン
2017年 23、582トン
・・・・
2019年 12、383トン
年々地球温暖化が進んでいるとはいえ、出荷量はまちまちです。
たけのこの出荷量が少なくなる原因は寒さから
以上のように、たけのこについて出来る限り調べた結果、たけのこの沢山とれる条件がみえました。
・たけのこは寒さに弱い。
・たけのこの栽培には適度な雨が大事。(湿度?)
・地球温暖化による影響は少ない。
です。
特に「寒さが近づく季節に日光を多く取り入れ、地温を上げる意味合い」と栽培方法にあったように寒いというのが良くないようでした。
寒さが長かったり、気温が低かった年などはたけのこはあんまりとれないという事です。
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