身近に生えてる毒草について 園芸コーナーにあるトリカブトは日本三大有毒植物の一つ
2019-05-27T00:51:25+09:00 2019/05/27
2月から5月は山菜取りのシーズンです。
また9月までの夏シーズンは、薬草などの植物が沢山採取できる時期でもあります。
毎年数件、この2つの時期に毒草による被害を受ける事件があとを絶ちません。
現代では、園芸コーナーで観賞用の花として、販売していたりするためか、毒草への危険視も薄くなっているようすです。
ですが、毒草は最悪死に至る場合がある危険な存在です。
扱いや、どの部分に毒があるなどしっかり知っておく必要があります。
毒草を誤って食したと気づいた時の対処法
毒草を飲んだり食べたりすると下痢や腹痛など、色々な症状が現れます。
毒草だと気付いたり異常を感じたりしたら、ただちに胃の中のものをすべて吐き出し、 救急車を呼ぶか、医師の診察を受けるのが得策です。
また、食べた毒草のサンプルがあると病院側の処置も早いです。
日本三大有毒植物、トリカブト、ドクウツギ、ドクセリについて
トリカブトについて
トリカブトは、日本三大有毒植物の一つで、一番知名度がある毒草です。
よく、山菜シーズンに「ニリンソウ」や「ヨモギ」「モミジガサ」の新芽とトリカブトの新芽がよく似ていて、誤食による中毒が事件が年に数件あります。
有毒植物のトリカブトですが、園芸店で普通に販売されている場合もあります。
トリカブトの見分け方について
よくトリカブトとヨモギは間違われます。
なので、その2つの違いについての説明の中心とし、トリカブトの特徴を説明していきます。
まず、臭い。
例えばヨモギには、特有の臭いがあり、他の植物にもあります。
ですが、トリカブトにはそのにおいが無いです。
なので、ヨモギかトリカブトかを見分ける時は匂いを嗅いでみましょう。
ただし、トリカブトには有毒成分アコニチンはあり、健康な皮膚や粘膜からも体内に侵入するので、触って臭いをかいだ場合で、トリカブトだったら、すぐに手を洗うようにしましょう。
次に、生える場所。
トリカブトは湿気のある木陰などに生えます。
比較的毒草と呼ばれているものは、日陰などに群生していることが多いです。
次に、葉の裏の毛の有無。
ヨモギとトリカブトを比べた場合ですが、ヨモギには葉の裏に綿毛のような白い毛が生えています。
トリカブトの葉の裏に毛はありません。
最も間違えやすいと言われているニリンソウの若芽とトリカブトについて
ニリンソウという山菜は、最もトリカブトと間違えて誤食が多い植物と言われ、若芽が非常に似ています。
2つを並べても見分けられません。
また、ニリンソウの中に一本だけトリカブトが生えているケースも無くはなく、誤って摘んでしまうというケースが続発しています。
見分ける方法は、花です。
ニリンソウは白い花を咲かせます。
トリカブトの花は紫なので、ニリンソウを採取する時は、白い花がついているものを一本単位で確認して採取しましょう。
ドクウヅキについて
現代ではあまり見られてなくなっているのがドクウヅキ。
実が赤く、美味しそうなため昔から子供がままごとで使うことが多かったと言われており、被害にあう場合の大半が子供だった。
理由は、一時期駆除作が行われたためですが、山奥などの人の手が入っていない場所には群生している場合があります。
日当たりのよい荒地に生えます。
トリカブトのように、園芸コーナーなどに販売されている事はないので、見分け方などは記載しませんが、山奥に入った際に、赤い実を見つけたら不用意に採取しないようにしましょう。
ドグゼリについて
ドクゼリは関東や関西に主に群生しており、セリやわさびに似ています。
特に、山菜のセリと全く同じ環境下で混在して生えているため、近年でも頻繁に誤食者があとを絶ちません。
見分け方は、セリ特有の香りがしないことと、葉柄の形状が異なりドクゼリは葉柄が長いのが特徴です。
何より香りがわかりやすいかと思います。
ドクゼリは、トリカブトと同様に有毒成分が、皮膚からも浸透するので、安易に触らないように。
以上が、日本三大有毒植物日本の情報でした。
次は、三大有毒植物ほどの毒性はないが、危険な毒草の紹介します。
日常生活に潜む毒草について
園芸として親しまれている花や野草の中にある毒草についての紹介です。
イヌサフラン
群生地、日本全土、2月〜7月。
症状、嘔吐、下痢、皮膚の知覚減退、呼吸困難、最悪の場合死に至る。
イヌサフランは、コルチカムという名前で園芸用の植物として一般的に売られている場合があります。
見た目が山菜の「行者にんにく(アイヌネギ)」と似ていることから誤食によって中毒を起こすケースが後を絶ちません。
平成18年から27年までの間、イヌサフランによる中毒の患者16名のうち死者4名と、トリカブトよりも多くの被害を出しており、最も多くの日本人を殺している毒草との事。
行者にんにくとの見分け方は、花の形状が全く違うので、花で見分けましょう。
キョウチクトウ
群生地、本州・四国・九州、8月。
症状、嘔吐、四肢脱力、下痢、めまい、腹痛、最悪の場合死に至る。
毒性は直接食べた時にとどまらず、キョウチクトウの周辺の土壌や、燃やした時に出る煙なども有毒になります。
キョウチクトウの毒性はすさまじく、過去にはキョウチクトウの枝を使ってバーべキューをして死者が出た例や、キョウチクトウの葉が飼料に混じって9頭もの牛が死亡した例もあります。
丈夫で枯れにくいことから街路樹などに使われることも多いので、全く目にしない植物という訳ではありません。
近所の木などを燃やす際は、十分に注意しましょう。
スズラン
日本全土、4月~6月。
症状、嘔吐、頭痛、眩暈、心不全、血圧低下、心臓麻痺などの症状を起こし、重症の場合は死に至る
スズランは少量でも人を死に至らしめるほどの毒を持った植物で、青酸カリを遥かに上回る強毒性です。
スズランが入った水差しの水を誤って飲んで死亡したケースなどもあり、家庭で栽培したり花瓶に生けたりしたスズランの扱いにも注意が必要です。
口に入りさえしなければ問題は無いですが、スズランを触って手に花粉がついていたりすると口に入る可能性がある(花粉も毒)ので、必ずスズランを触った後は手を洗うようにしましょう。
スイセン
全土、11月中旬~4月。
症状、初期の強い嘔吐症状。
スイセンは、ピンと伸びた葉がニラやアサツキによく似ていることから誤食が多い植物です。
食後に強烈な吐き気に襲われ全て戻してしまうため、死亡には至らないケースが多い。
過去にあった死亡例に、特に毒性が多い鱗茎をあさつきと間違えて食べてしまった時。
なので、家庭でスイセンを植える場合は作物のニラや玉ねぎからは離すようにしましょう。
また、スイセンは獣害避けになるとも言われており、畑の周りに生えている事が多いです。
チョウセンアサガオ
日本各地、7月~9月
症状、おう吐、瞳孔散大、呼吸の乱れ、けいれん、呼吸困難。
近年、鉢花として人気が上がってきています。
また、別名曼陀羅華(マンダラゲ)ともいいます。
園芸用の品種として広く植えられていますが、つぼみや果実がオクラに似ていることから誤って食べてしまうケースが報告されています。
フクジュソウ
北海道、寒い地域に多い、 2月〜4月。
症状、嘔吐、下痢、呼吸困難、心臓麻痺、最悪の場合死に至る
フクジュソウは、雪解けとともに芽を出し春を告げる花として縁起物とされ、「1月1日」の誕生花でもありますが、フクジュソウは全草が猛毒で、若芽がフキノトウと似ていることから誤食してしまうケースがあります。
ヒガンバナ
日本全土、9月。
激しい嘔吐、下痢、中枢神経の麻痺、最悪の場合死に至る
ヒガンバナは、全草が有毒の植物で、墓などでよくみることから不吉な花というイメージが強い植物でもあります。
日本では古くからその毒性を認知し活用するために、お墓や田んぼ・畦道にヒガンバナを植え、ネズミやモグラなどの小動物を除けてきました。
シキミ
本州、九州、3月~4月。
症状、嘔吐、下痢などの消化器症状、四肢の痙攣、意識障害を伴う痙攣、最悪の場合死に至る
シキミは、昔から仏前や墓前に供える花として使われることから、お寺や墓地で見かける事の多い植物です。
よく中華料理で使われる「トウシキミ(八角)」と間違えて食べてしまうというケースが多く、見分けも難しい。
シキミの方がやや小ぶりで尖っていること以外は、香りも似ています。
グロリオサ
全土、6~9月。
症状、口腔・咽頭灼熱感,発熱,嘔吐,下痢,臓器の機能不全などにより最悪死に至る。
グロリオサは、とてもきれいで特徴的な花を咲かせることから、近年園芸用品主として広く一般的に栽培されています。
問題は、根(球根)の部分に毒性が強く、ヤマイモと似ている事から誤食し、死亡したケースがあり、厚生労働省でも注意喚起をしています。
実際に死亡事件が起きたのは、静岡県と高知県で2年連続でした。
見分けるポイントは、すりおろしリンゴのようにしかならず、ヤマイモと違って粘り気も無いので、よく観察をすれば違いに気づきます。
ヨウシュヤマゴボウ
全土、6月〜10月。
症状、腹痛、嘔吐、下痢、けいれんを起こして死亡する場合もある。皮膚に対しても刺激作用あり。
果実と根に有毒成分を含み、ヤマゴボウと似ている。
ヤマゴボウとの違いは実で、ヨウシュヤマゴボウは茎が赤く、黒い実をつける。
稀に空き地や山に生えており、子供がままごとに実を使ったりなどして、中毒を起こすケースがある。
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