山梨県北杜市の桜の名所・日本五大桜「山高神代桜」の場所と見頃
2014-04-11T18:00:35+09:00 2014/04/11
「山高甚大桜(やまたかじんだいざくら)」とは、山梨県北杜市武川町の実相寺境内にあるエドヒガンザクラです。
何でも、日本書紀や古事記に登場する日本武尊が、東夷征定の折りの際にこの地に留まり、記念にこの桜をここに植えたとされているらしい・・・
推定樹齢は2000年とも言われ、国の天然記念物、日本五大桜、三大巨さくら、及び新日本名木百選にも指定されています。
神代桜の最盛期は幕末から明治初期と言われます。
最古の写真は明治40年のものが残されているそうですが、既にこの頃は最盛期は過ぎたにもかかわらずまだまだ見事な巨木でした。
国の天然記念物に指定されたのが大正11年。
この時に桜を守るためか、周囲にコンクリートの囲柵や石積みなどを施します。
しかしそれが完全に裏目に出て、逆に桜の発育を阻害する条件になってしまいます。
そして次第に樹勢は衰えていき、ついに昭和23年には「3年以内に枯死」するという最悪の宣告を受けることになったようです。
このままではいけないということで、この頃からかつての勢いを取り戻そうと「神代桜天然記念物再生事業」として山高神代桜樹勢回復工事が行われていきます。
そして、土壌改良工事も平成14年から4年間にわたり進められてきました。
又平成18年には、観光化の悪影響を避けるため、近隣の市道を車両通行禁止にしたり、土の入れ替え、柵の修繕などが行われています。
さらに景観向上を目指し、幹を覆っていたトタン屋根も取り外されました。
(参照:北杜市教育委員会資料・Wikipedia)
例年で見ると桜の見頃は4月上旬から中旬。
3月の下旬にはちらほら咲き出すためか、この時期に合わせて4月の中旬位まで桜祭りが開催されます。
期間中は周囲に空き地や個人の庭などが駐車場になります。露天もたくさん出店され、多くの観光客で賑わいます。
「山高神代桜」の場所と見頃・メニュー
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「山高神代桜」の場所・アクセス
所在地は山梨県北杜市武川町山高2763。
地図では下の位置になります。
行き方ですが、甲府方面から国道20号線を長野方面に向かって行くと、武川町内に入口が見えてきます。
何箇所かあるのですが、道沿いに案内標識が出ていますし、祭り期間中はノボリも出ているので分かると思います。(写真左)
20号線を左折して暫く行くと、交差点ごとに案内標識が出ているので指示通りに行くと迷うことはないと思います。(右下)
写真はクリックで拡大します。
案内標識は、神代桜の所まで全ての角々に出ています。
駐車場は実相寺の周辺にある空き地や個人の庭、等。駐車利用金はほとんどの所が1回500円。中には400円の所もあったような気がします・・・・
この日は平日にも係わらずほとんどの駐車場は満車。
この時期は相当儲かるのか、どこの地主たちもホクホク顔です。
また、付近の道路に少しでも車を停めると交通整理で雇われた警備員が大声を出して立ち退かせるので否応無く何処かの駐車場に入るしかありません。
「日本五大桜」・「三大巨さくら」とは
「日本五大桜」
日本五大桜とは、1922年(大正11年)10月12日に国の天然記念物に指定された5つの桜のことです。
- 石戸桜(いしとかばざくら)・・・埼玉県北本市石戸宿東光寺境内にある樹齢800年以上のカバザクラ
- 三春滝桜(みはるたきざくら)・・・福島県田村郡三春町大字滝字桜久保にある樹齢推定1000年超のベニシダレザクラ(紅枝垂桜)
- 神代桜(じんだいざくら)・・・山梨県北杜市武川町山高の実相寺境内にあるエドヒガンザクラ。樹齢は1800年とも2000年ともいわれる。
- 淡墨桜(うすずみざくら)・・・岐阜県本巣市(旧・本巣郡根尾村)の淡墨公園にある樹齢1500年以上のエドヒガンザクラ。
- 狩宿の下馬桜(かりやどのげばざくら)・・・静岡県富士宮市狩宿にある日本最古とも言われる「山桜(学名はアカメシロバヤマザクラ)」。樹齢は800年以上。
「三大巨さくら」
三大巨桜(三大桜)も国指定の天然記念物です。同じく大正11年10月12日に指定されています。
- 根尾谷淡墨桜(ねおだにうすずみざくら)・・・岐阜県本巣市根尾板所上段にある樹齢1500年とも言われる淡墨桜。見頃は3月上旬~中旬。
- 三春滝桜(みはるたきざくら)・・・福島県田村郡三春町にあるエドヒガン系のベニシダレザクラ。樹齢は1000年以上。開花時期・見頃は4月中旬から下旬。
- 山高神代桜(やまたかじんだいざくら)・・・山梨県北杜市武川町の実相寺境内にあるエドヒガンザクラ。推定樹齢2000年以上。
桜祭りと実相時境内
実相寺の山門から入り、神代桜を観るには境内を1周するような道順になっています。
桜祭りが開催されているので、総門まで行く間の両側は色々な露天が出店していました。
B級グランプリで知られる「富士宮焼きそば」がここにも・・・・
左下が入口となる山門。入ると水仙らしき花が桜と共に一面に咲いていました。
これも桜を美しく見せるための演出なんでしょうね。
コントラストは見事でした。
入口には、神代桜を観る上での注意や実相寺境内の案内図が貼りだされていますので、一応目を通していったほうが良いでしょう。
門をくぐるといきなり素晴らしい桜並木が現われます。
どの桜もかなりの大きさで、これらもかなりの樹齢であることが予想されます。
因みに、これらの桜は三大巨桜の苗木が植樹されたものも混じっている。
「神代桜の子桜」と書かれた看板がありました。
恐らく両側の桜のことだと思うのですが、とても子桜とは思えない大きさ・・・
突き当たりにあるのが日蓮宗のお寺「実相寺」本堂。
この寺は創建以来2度の火災にあって歴史的建造物や寺宝等は残されていないようですが、何といっても「神代桜」が有名なのです。
本堂の右側には「御朱印所」がありました。
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左に進むと手水舎やトイレ、鐘などがありいよいよ「神代桜」が見えてきます。
「神代桜」は圧倒的な迫力
山門から幾つもの桜の古木を眺めてきましたが、流石に騒がれるだけあってこの「神代桜」は圧倒的な迫力です。
昔、日蓮聖人が木の衰えを見て、回復を祈ったところ再生したため「妙法桜」とも言われるそうです。
太い幹が根元の方から失われているのは過去に襲われた台風の影響らしい。
昭和34年8月の台風7号で主幹が折れてこのような形になってしまったようです。
今では樹形を維持するためには、枝の全てに櫓(やぐら)を設置しなければならないとのこと。
周囲は柵がされており、中には天然記念物の碑が建てられていました。
まるで桜の撮影会のように、柵の周りはこの通りの人だかり。